「パスをもらっても、その後の動き出しが遅くて相手に追いつかれちゃう…」
「1on1でシュートまで持っていけない」
そんなお悩み、ありませんか?
バスケを始めたばかりの中学生や、もっと上手くなりたい初心者選手、そしてそれを応援する保護者の方々にとって、1on1は大きな壁に感じられるかもしれません。
でも実は、1on1で相手を抜き去るための重要なカギは、パスをもらった瞬間の「ボールミート」と、その後の「ステップ」にあるんです。
この2つの基本をしっかり身につけるだけで、あなたの1on1は劇的に変わります!
この記事では、バスケ初心者の方でも分かりやすいように、ボールミートとステップの正しいやり方、そして今日からできる練習方法を解説していきます。この記事を読み終える頃には、自信を持って1on1に挑戦できるようになっているはずですよ!
なぜ1on1で抜けない? ボールミートとステップの重要性
「なんで僕は(私は)1on1でディフェンスに止められちゃうんだろう…」
そう感じたことはありませんか?その大きな原因の一つに、パスをもらってからの「最初の動き」がスムーズではない、という点が挙げられます。ここでいう「最初の動き」こそが、ボールミートとステップなんです。
ボールミートは、単にパスをキャッチするだけでなく、パスを受けた瞬間に「シュートを打つ」「ドリブルで突破する」「パスをさばく」といった次のプレーへの有利な体勢を準備する動作です。
例えば、NBAやBリーグなどのトップ選手たちの試合を見てみてください。トップ選手たちは、パスを受ける前からすでに次の動きをイメージし、相手ディフェンスの位置を見ながら、最も効果的な場所でボールミートをしていますよね。
彼らにとってボールミートは、攻撃の「起点」であり、ディフェンスを出し抜くための「準備」なんです。
そして、そのミートと連動して行うのがステップです。もしミートが完璧でも、その後のステップがぎこちないと、せっかく作ったチャンスを台無しにしてしまいます。適切なステップを踏むことで、ディフェンスの重心を崩し、一瞬の隙を作り出すことができるんです。
例えば、ゴールに向かってドライブすると見せかけて急停止し、ピボットでシュート体勢に入る…なんてプレーも、正確なステップがあってこそ。このボールミートとステップがスムーズに連動することで、あなたはディフェンスにとって予測不能な、厄介なオフェンスになることができるんですよ。
「ボールミート」で相手を出し抜く!正しい体の使い方
ボールミートとは、パスに対してボールをキャッチする動作のことです。ですが、単にボールをキャッチすることではありません。パスを受けた瞬間に、すでに攻撃体勢に入っているような、ディフェンスにとって脅威となる体勢を作ることがポイントなんです。
ボールミートのコツは「ボールに迎えに行く意識」と「着地と同時にシュート・ドライブを狙える体勢を作る」ことです。
多くの初心者の選手は、パスを棒立ちで受けたり、ボールが来てから体を動かし始めたりしがちです。これだと、ディフェンスに準備する時間を与えてしまい、簡単に対応されてしまいます。
【ボールミートで覚えたい2種類のストップ】
- ジャンプストップ
ボールをもらって両足で着地するストップ。
両足でストップするため、軸足(1歩目の足)が両足どちらでも取れるため、プレーの幅が広がります。
ステップを1、2、両足ストップにしてしまうとトラベリングになってしまうので、2歩目で両足ストップで止まるように意識しましょう。 - ストライドストップ
ボールミートの際に、どちらか一方の足から先に着地し、1、2とステップを踏んで着地するストップ。
1歩目の足が軸足となるので、急な方向転換からドライブを仕掛けたり、動きながらシュートを打つ際にしっかりと下半身を安定させた状態で打つことができます。
軸足が決まっているので、ドリブルをする前に軸足が地面から離れてしまうとトラベリングとなってしまうので、しっかりと軸足が地面についた状態でドリブルを開始するようにしましょう。
【ボールミートのポイントとコツ】
- ボールに「迎えに行く」意識を持つ: パスが来たら、その場で待つのではなく、一歩前に出てボールを迎えに行きましょう。この時、腕だけでなく体全体でボールを取りに行くイメージを持つことが大切です。
- ミートと同時にゴールに正対する: 空中でボールをキャッチしたら、まずはゴールに向かって正対するようにしましょう。
ゴールに正対した状態だとそこから次の動き(シュート、パス、ドリブル)に移りやすいので、日頃の練習から意識するようにしましょう。
ミートと同時に、あなたの体はリングの方向、つまり攻撃したい方向に正対していることが理想です。 - ボールを「奪われにくい」位置で持つ: ボールをキャッチしたら、すぐにボールをアゴの高さで、体の中心に引き寄せ、ディフェンスから遠い方の腕でしっかりカバーしましょう。これでボールを奪われるリスクを減らし、次のプレーに集中できます。
- 視野を広く保つ: ボールミートの瞬間から、ディフェンスの位置、味方の位置、ゴールの場所を広い視野で確認しましょう。これがシュートフェイクやドライブ、パスなど、次のプレーを瞬時に判断するための基礎になります。
パスを受ける前から「シュートを打つぞ!」「ドライブで抜き去るぞ!」という攻める気持ちを前面に出してボールに迎えに行くことで、ディフェンスは「やばい、何か仕掛けてくるぞ」と警戒し、一瞬の迷いが生じるんです。その迷いが、あなたのチャンスに繋がります。
「ステップ」で決定機を生み出す!種類と使い分け
ボールミートで有利な体勢を作ったら、次はステップを使ってディフェンスを置き去りにする番です。バスケットボールには様々なステップがあり、状況によって使い分けることで、攻撃の幅が格段に広がります。
ステップは「軸足の固定」と「体の向き・重心移動」がポイントです。
ステップの種類を覚えるだけでなく、それぞれがどんな場面で効果的なのかを理解することが大切です。
【ミート後のステップ】
ピボット(軸足を中心にした回転)
- 役割: ボールを持ったまま軸足を固定し、もう一方の足(フリーフット)を動かして体の向きを変える基本動作。シュートコースやパスコースを探したり、ディフェンスをかわしたりするのに使います。
- コツ: 軸足は地面にしっかり固定し、かかとが浮かないように意識しましょう。フリーフットを大きく踏み出すことで、ディフェンスとの間にスペースを作ることができます。
【注意】軸足が浮いてしまう(地面から足裏が離れてしまう)とトラベリングになってしまいます。
母指球(親指の付け根にある膨らみの部分)を軸にするように意識して行いましょう - 場面: 密集したゴール下でパスコースを探す、ディフェンスに詰め寄られた時に体を入れ替えるなど。
フロントターン / バックターン
- 役割: ピボットの一種で、前向きに回転するのがフロントターン、後ろ向きに回転するのがバックターンです。ディフェンスとの接触を避けたり、視野を切り替えたりするのに使います。
- コツ: 顔をしっかり進行方向に向けることで、ターン後の視野を確保し、次のプレーにスムーズに移行できます。特にバックターンでは、ディフェンスの動きを背中で感じながら行うと、より効果的です。
- 場面: ディフェンスが密着してきた時にターンでかわし、シュートやドライブに繋げる。
クロスステップ
- 役割: 軸足の前をフリーフットが横切るように踏み出し、進行方向を素早く変えるステップ。ドライブの起点によく使われます。
- コツ: 軸足を踏み込んだ後、素早く重心を移動させながらフリーフットを大きく踏み出しましょう。体が一直線にならないよう、膝を柔らかく使うのがポイントです。
- 場面: 1on1で相手ディフェンスの重心が片方に寄った瞬間に、逆方向に加速して抜き去る時。
<クロスステップの練習方法>
- マーカーを縦に5つ置く
- どちらかの足を軸足にしてその前を横切って前に出す(クロスさせる)ようにフリーフットを前に出す
- 軸足を引きつける
- これを繰り返しながら合わせてドリブルチェンジを行う
以下の動画では、コーンや障害物をDFとして、様々な方向に対応できるピボット練習を紹介しています。
DFをしっかりと揺さぶることを意識して、しっかりと大きくステップを踏むように意識しましょう!
引用:ダイアモンドBBSオンライン 【バスケ基礎】ピボット5方向より
ジャブステップ(フェイクステップ)
- 役割: ドリブルを始める前に、一歩踏み出すフェイク動作。ディフェンスにドライブ方向を誤認させ、一瞬の隙を作ります。
- コツ: 本当にその方向にドライブするような強い踏み込みと、ディフェンスの反応を見てからの素早い切り返しが重要です。上半身の動き(ショルダーフェイク)と組み合わせると、さらに効果的です。
- 場面: 1on1で相手を揺さぶり、抜き去る方向の選択肢を増やす。
<ジャブステップのやり方>
- ボールをミートする
- DFの動きを探るためにフリーフットで少し前にステップを踏み出す
- この時にボールもドライブを仕掛けるように見せかけるため、フリーフットを踏み出した方向に動かす。
- DFが反応してこなければシュート、反応してくればドライブを狙う
*注意点:ジャブステップは大きすぎてもすぐに次の動作に移れないし、小さすぎてもDFの動きを探ることができません。
肩幅より少し広いくらいを最大の広さとして行うようにしましょう。
以下の動画では、正しいジャブステップのやり方を紹介しています。簡単な動きであるため、見様見真似になってしまいがちなスキルなので、しっかりとジャブステップの効果や使う目的を覚えておきましょう!
これらのステップは、単体で使うだけでなく、組み合わせることでさらに強力な武器になります。例えば、ジャブステップでディフェンスを揺さぶってから、クロスステップで一気にドライブを仕掛ける、といったイメージですね。
まずは鏡の前で、ボールを持たずに足の運びだけを練習することから始めてみましょう。自分の体の重心がどこにあるのか意識しながら、スムーズな動きを追求してください。
今日からできる!ボールミート&ステップ練習メニュー
さて、ボールミートとステップの重要性や正しい体の使い方を学んだら、次は実際に体を動かして練習してみましょう!ここでは、自宅の庭や公園、体育館の半面など、限られたスペースでもできる効果的な練習メニューを4つご紹介します。中学生はもちろん、小学生のバスケ初心者の方でも取り組めますよ。
① パスミートからのワンドリブルシュート(ミートとシュート連動)
目的: パスミートからシュートまでの流れをスムーズにし、実戦での得点力を高めます。
対象年齢: 小学生〜中学生
【やり方】
- パートナーはゴール下からパスを出し、シューターはフリースローラインの少し後ろくらいにおきます。
- パスが来たら、「ボールに迎えに行く」意識を持ってフリースローライン付近でジャンプストップでボールミートします。
- ミートしたらにワンドリブル(1回だけドリブル)し、一歩前に出てストライドストップからシュートを打ちます。ドリブルは左右どちらからでもOKです。
ドリブルをしてステップを踏む際は内側の足を1歩目にしてステップを踏むようにしましょう。 - これを左右両方のドリブルで繰り返します。
【意識するポイント】
- パスミートの時に「いつでもシュートを打てるぞ!」という意識を持つこと。
- ドリブルは低く、強く。
- シュートフォームが崩れないよう、下半身が安定していることを意識して丁寧に打ちましょう。
- ボールミートからすぐにシュートを打つ状況を意識して行いましょう
以下の動画では、パスミートワンドリシュートを解説しています。
動画のように、まずはボールミートに対して止まった状態で、しっかりとジャンプストップができるように意識しましょう。
引用:ダイアモンドBBSオンライン ワンドリブルミートシュート(インサイド)より
【意識するポイント】
- 軸足のかかとを浮かさず、地面に根を張るように固定すること。
- フリーフットは、ディフェンスをかわすように大きく動かすこと。
- 常に顔を上げて周りを見ること(視野を広く保つ)。
②ジャブステップからの1on1想定ドリル(実践に近い状況判断)
目的: 1on1の状況判断能力と、ステップワークの素早さを鍛えます。
対象年齢: 中学生向け(小学生高学年も可)
【やり方】
- ポール(コーン)をディフェンスに見立てて置きます。
- ポールに対してパスミートの体勢を取り、ポール(コーン)付近でストライドステップでストップします。
- ボールをまだドリブルせず、ジャブステップ(フェイクのステップ)を左右どちらかに踏みます。
- ポールの動き(ディフェンスの反応)をイメージし、そのままジャンプシュートまたはジャブステップで反応したら逆の方向にクロスステップで一気に抜き去るドリブルを開始します。
(チームでどのようなフィニッシュにするか統一してドリルを行うこともおすすめです)
【意識するポイント】
- ジャブステップは本気で抜きに行くような強い踏み込みで行うこと。
- ポールの「反応」をイメージし、瞬時に次の動きを判断すること。
- ドリブル開始と同時に加速し、ディフェンスを置き去りにするスピードを意識すること。
DFとの駆け引きを想定して、どうしたらDFが崩せる、次の動きにスムーズに繋げられるかなど、実践と練習を繰り返して、自分に合ったステップの幅など探していきましょう!
引用:eHoops/イーフープス ジャブステップからシュートを打つ基礎ドリル
③パスミートからの1対1
目的: 実際の試合でパス受けてからの1対1により近い状況での判断力を鍛える
対象年齢: 小学生〜中学生
【やり方】
- パサー1人がトップ(またはコーナー)からパスを出し、OFは45°でボールミートをします。
- ボールミートはジャンプストップかストライドストップで行い、まずはシュートを狙えるようにします。
- DFはゴール下からクローズアウトするようにDFをします。
キャッチ&シュートを打たれないようにしっかりクローズアウトしましょう。 - シュートが打てなければ軸足を意識してジャブステップで1対1を仕掛けます。
- DFをズレさせること、常に攻め気の姿勢を意識してドライブまたはドリブルからのジャンプシュートを狙います。
- 慣れてきたら少しボールミートで動きを足してみたり、ボールミートからシュートまでの時間に制限を設けてみたり、ドリブル回数制限を設けてみたりしてみましょう。
【意識するポイント】
- パスをもらう前に、常に「どこでボールが欲しいか」を意識して動くこと。
- ボールミートしたらまずはシュートを狙うこと、そこからドリブルを狙うかを判断する
- 軸足は動かないように、DFのプレッシャーに負けず、自分のスペースを作ることを意識してピボットをしてみましょう
引用:Sufu 【バスケ練習メニュー】クローズアウト〜1on1(Sufu)より
これらの練習は、毎日少しずつでも継続することが大切です。最初はうまくいかなくても、諦めずに繰り返し取り組むことで、必ずできるようになります。
【まとめ】ボールミートとステップ習得の鍵は「反復と実践」
今回は、バスケの1on1で相手を抜き去るために欠かせない「ボールミート」と「ステップ」について、その重要性から具体的な練習方法をご紹介しました。
バスケの技術は、一夜にして身につくものではありません。
特にボールミートやステップのような基本動作は、何度も何度も繰り返し練習し、体が自然に動くようになるまで反復することが何よりも大切です。そして、練習で身につけたことを、実際のミニゲームや試合で積極的に実践してみてください。
最初は失敗することもあるかもしれません。でも、その失敗から学び、次へと繋げていくことが、本当の成長に繋がるんです。
「練習してもなかなか上手くならない…」と悩んでいる中学生の皆さん、そしてそれを心配している保護者の皆さん、どうか焦らないでください。コツコツと基本を積み重ねていけば、きっと素晴らしい結果に繋がります。
「ボールミートとステップが上達した!」という実感が持てると、1on1に対する苦手意識がなくなり、もっとバスケが楽しくなるはずです。自信を持ってプレーできるようになれば、きっとチームの中でも頼られる存在になれますよ!